2009-02-15

壺坂観音霊験記 沢市内より山の段(つぼさかかんのんれいげんき さわいちうちよりやまのだん)

 相手を想う心が互いに通じ合ったとき、観音菩薩が奇跡を起こす、夫婦の愛の物語です。

 大和の国に壺阪に住む沢市(さわいち)は幼い頃にかかった疱瘡(ほうそう)で盲目ですが、献身的で美しい女房のお里が針仕事など内職をして、夫婦で慎ましく暮らしていました。
 あるとき、沢市は毎夜、家を空けるお里にほかの男ができたのではないかと疑い、責めます。お里は沢市の目が治るようにと壺坂寺の観音にお参りを続けていたと告白します。お里の真心を知った沢市は自分を恥じ詫び、二人で壺阪寺にお参りすることにしました。
 三日間断食すると言って沢市は一人残り、三年祈願しても治らない自分の目に絶望しお里が幸せになるようにと、谷底に身を投げます。それを知ったお里は悲観して・・・。

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